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子供の義務教育は2歳から始めるべきだ

Englandの文科省の局長が、「子供の義務教育は2歳から始めるべきだ」と発言し話題になっている。

Europe諸国の義務教育の開始年齢はそれぞれ国によって違うが、一番早いのが北Irelandの4歳、5歳から始まるのがEngland、Cyprus、Malta、Scotland、Walesである。
6歳から始まるのがほとんどのEurope諸国で、7歳と遅めに始まるのがBulgaria、Estonia、Finland、Latvia、Lithuania、Poland、Serbia、Swedenである。

それで「2歳から始めるべきだ」というEngland文科省の発言は一体どういう意味があるのか。

これはAmericaでもそうだが、Englandでもここ数十年見られる傾向は貧富の格差が拡大し、貧困家庭が世代をまたいで貧困から抜け出せないという問題が起こっている。
昔であれば貧困家庭からでも秀才が生まれてOxford、Cambridgeに入ったものだが、その時代の貧富の格差と今の貧富の格差は格段の開きがあり、今の貧困家庭はその時代に比べて極端に貧困であり、それが故に義務教育が始まる5歳までの間に、 色々な技能、言語の発育、栄養障害、情緒不安定、家庭内暴力、親による子供の苛めなどによって一生引きずるDisadvantageすなわち不利益を背負ってしまい、いかに才能のある子供と言えども良い大学には進学出来ない。また大学そのものにも進学出来ない為に中高生になってDrop outし、満足な職にもありつけないで貧困から永遠に抜け出せないという問題がある。

そこで貧困家庭の子供を一刻も早く国が貧困状態から救出する為には2歳から義務教育を始めるべきだというのである。

そしてEnglandの文科省の報道官は次のように述べている。

「We know that teacher-led early years education has a positive impact on children, especially on those from low income families,」

すなわち一刻も早く貧困家庭から子供を学校の先生が教える教育環境に入れることは、その子の将来に於いて決定的に積極的な良い影響を与えるというのである。

教育Consultant石角完爾はこれを誠に正しい意見だと思うが、Englandのような豊かな国で予算的裏付けがある場合だけであろう。

日本のような国家財政が危機に瀕している国では実現はおよそ不可能であろうと思われる。

AmericaでもMartin Luther King'の黒人公民権運動が起こって60年になるが、Martin Luther King'が夢見た黒人と白人の平等な社会というのは実現するどころか、全く逆になっているのがAmericaの現状である。
裕福な白人家庭はますます良い教育を受けてますます高収入にありつく子供を世に送り出し、貧困な黒人家庭はいくらScholarshipが充実しているAmericaと言えどもおいそれとは良い大学に入ることは出来ない為に永遠に貧困から抜け出せない。

それでは2歳の子供を義務教育に取り込むとして一体何を教えるべきかということについてもEngland.では議論されており、それは

Communication、Language、Physical Development、Personal, Social, Emotional Development、Literacy、Mathematics、Understanding of the World、そしてExpressive Art and Designであるというのだ

何と教育Consultant石角完爾はこれを見て驚いた。
これは高等教育の目的とする分野と全く同じではないか。

そしてその教育手法は本を読んで聞かせることにより集中力と聞く力を養い、動作能力、特に例えば鉛筆を持って物を書くという能力を高め、1から20までの数字を読め、数を数えることが出来るようにし、Lego Blockを作るなどの作業を行えるようにし、物が幾つあるかを数えるようにさせ、短い簡単な文章を読んで理解することが出来るようにさせるべきであるというのである。

   
   
  以上
   
   
   
   

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